ESTIMATE
見積書の内訳には何を書くのか
建設業法第20条が求める内訳と日数、作成・交付の違いを整理します。
このページでわかること
- 条文が求めている内訳の5点
- 作成(努力義務)と交付(義務)の違い
- 「一式いくら」の見積が説明できなくなる理由
- 少人数の会社が、どこから直せばいいか
ESTIMATE
建設業法第20条が求める内訳と日数、作成・交付の違いを整理します。
このページでわかること
結論:内訳4点と、工程ごとの日数です。
建設業法第20条第1項は、請負契約を結ぶ際に、工事内容に応じて次の内容を記載した見積書を作成するよう努めなければならない、と定めています。条文ではこれを「材料費等記載見積書」と呼んでいます。
| 内訳項目 | 記載する内容 |
|---|---|
| 材料費 | 工事の種別ごとの材料費 |
| 労務費 | 工事の種別ごとの労務費 |
| 不可欠な経費 | 労働者による適正な施工の確保に不可欠な、国土交通省令で定める経費 |
| その他の経費 | その工事の施工に必要な経費の内訳 |
| 工程と日数 | 工程ごとの作業と、その準備に必要な日数 |
上の3つ(材料費・労務費・不可欠な経費)を、条文はまとめて「材料費等」と呼びます。最後の日数は金額ではありませんが、条文上は同じ見積書に書く扱いです。工期の話と金額の話を別紙に分けている会社は、ここで一度見直す価値があります。
結論:作成は努力義務、交付は義務です。ここが分かれています。
第20条第1項の「作成するよう努めなければならない」は努力義務です。一方で第4項は、注文者から請求があったときは、請負契約が成立するまでに材料費等記載見積書を交付しなければならないと定めています。請求されたら渡す、という義務です。
第5項では、注文者の承諾を得れば、紙の交付に代えて電子的な方法で提供できるとされています。提供した場合は交付したものとみなされます。PDFをメールやLINEで送る運用も、承諾を取っていれば条文の枠内に収まる形です。
定義:ここでいう「交付」は、契約が成立するまでに相手の手元に渡すことです。着工後に清算書として出すものとは別に考えます。
結論:条文は、下げる側も下げさせる側も縛っています。
第20条第2項は、見積書に書く材料費等の額は、その工事を施工するために通常必要と認められる額を著しく下回るものであってはならないと定めています。自分から極端に安く出すことも想定されていません。
そして第6項は、注文者の側について、交付を受けた建設業者に対して著しく下回ることになるような変更を求めてはならないと定めています。第7項では、これに違反した発注者が変更後の見積内容で契約を結び、適正な施工の確保のため特に必要があると認められるときは、許可行政庁である国土交通大臣または都道府県知事が発注者に勧告できるとされています。
実務上の意味は単純です。内訳を出していれば、「どこを削ったのか」が両者に見える状態になります。一式いくらのままだと、削られたのが労務費なのか材料費なのかが誰にも分かりません。
結論:値切り交渉のときに、説明する材料が手元に残らないからです。
一式表記そのものを禁じる条文があるわけではありません。問題は、内訳がないと第20条が求める材料費・労務費・工程ごとの日数を読み取れないことです。金額だけの紙は、比較されると弱くなります。
相見積もりの場面でも同じです。施主は3社の紙を並べます。総額だけの紙と、材料と手間と日数が分かれている紙では、後者のほうが「なぜこの金額か」を説明できます。安いから選ばれるのではなく、説明できるから残る、という差が出ます。
結論:全部を一度に整えず、よく出す工種の単価表から作ります。
現場と経営を兼ねる会社で、いきなり全工種の原価を積み上げるのは続きません。現実的な順番は次のとおりです。
単価表は一度作れば使い回せます。逆に言うと、単価表がないまま毎回考えているうちは、見積を出すのが遅れて失注する、という別の損が出ます。
結論:単価表にある品目は下書きにし、無い品目は「要確認」で戻します。
プロプラン(月98,000円・税別)では、お客様の単価表と、LINEでいただいた数量から見積書の下書きを作ります。そのときテモトが確認しているのは次の点です。
単価表に無い品目に金額を入れることはしません。「要確認」として戻します。金額を決めるのはお客様であり、最終確認と発行もお客様名義で行っていただきます。
※このページは条文の記載を整理した一般的な情報です。個別の契約内容や許可に関する判断は、所管の行政庁や行政書士などの専門家にご確認ください。
建設業法第20条第1項は、工事の種別ごとの材料費、労務費、労働者による適正な施工を確保するために不可欠な経費として国土交通省令で定めるもの、その他その工事の施工のために必要な経費の内訳、そして工事の工程ごとの作業とその準備に必要な日数を記載した見積書(材料費等記載見積書)を作成するよう努めなければならない、と定めています。
作成そのものは努力義務ですが、交付は別です。建設業法第20条第4項により、注文者から請求があったときは、請負契約が成立するまでに材料費等記載見積書を交付しなければなりません。相手の承諾があれば、電子的な方法で提供することもできます。
建設業法第20条第2項は、材料費等の額を通常必要と認められる額を著しく下回るものにしてはならないと定めています。さらに第6項は、注文者の側が著しく下回る変更を求めてはならないと定め、第7項では違反した発注者に対して国土交通大臣または都道府県知事が勧告できるとしています。
内訳がないと、条文が求める材料費・労務費・工程ごとの日数が読み取れません。値切り交渉のときにどこを削ったのかが説明できず、労務費が削られたことに気づけない状態になります。施主側も比較ができないため、相見積もりで不利になります。
結論:書類の型を知りたいなら報告書、料金を知りたいなら料金ページです。